AGA治療に使われる「薬」の種類と特徴について

専門クリニックで行われるAGA治療では、薬が処方されるのが一般的です。できれば病院に行かずに、通販などで安く手に入れたいと考える方もいらっしゃるでしょう。効果が出るまでの期間やかかる費用、副作用などについても気になるところです。AGAの治療で使われている薬の種類や効果、使用する際の注意点などについて解説していきます。

【AGA治療薬の種類】

AGA治療薬とはAGA治療薬には飲むタイプと頭皮に直接塗り込むタイプの2つがあり、病院やクリニックなどで処方される公式のものと、個人輸入などで手に入るジェネリックがあります。

【公式治療薬】

公式治療薬は、厚生労働省の認可を受けており、効果や実績が確認されているのがメリットです。その反面、処方を受けるためには医師の診察が必要なこと、AGA治療には保険が適用されず全額自己負担となるためコストが高いことなどのデメリットもあります。

【ジェネリック】

通販などで手に入る個人輸入品は多くの場合「ジェネリック」と呼ばれるもので、公式のものに比べ低コストで手に入り、続けやすいのがメリットです。その一方、国内で認可されていない成分が配合されているものや、効果が期待できない偽物もあり、効果や安全性については不安が残ります。

【AGAとは】

AGAは、脱毛ホルモンと呼ばれるジヒドロテストステロンが原因です。ジヒドロテストステロンは体内のテストステロンが還元酵素5αリダクターゼと結びつくことによって作り出されるため、AGA治療は、この5αリダクターゼの働きをブロックすることがポイントになります。

AGA治療薬には、5αリダクターゼの作用を抑制してジヒドロテストステロンの産出を抑える作用があります。そのため、症状の改善に高い効果が期待できるというわけです。

【5αリダクターゼ】

5αリダクターゼには、I型・II型の2種類があります。
I型5αリダクターゼは、側頭部や後頭部の皮脂腺に数多く存在しています。それに対し、II型5αリダクターゼは、前頭部や頭頂部の毛乳頭に存在します。毛乳頭は毛髪を成長させる働きがあることから、発毛するための重要な役割を果たしているのです。
II型リダクターゼの方がより強力で多くのジヒドロテストステロンを作り出すと言われており、体内で産出される60%から70%はII型となっています。したがって、AGAの治療は、II型をターゲットにするのが効果的だと言ってよいでしょう。

治療では、抜け毛を減らすと同時に発毛を促すことも目的とされています。専門クリニックでは、この両面からアプローチする治療が行われることがほとんどです。AGA治療薬の種類国内で認可されているAGA治療薬には、次の3種類があります。

・プロペシア
・ミノキシジル外用薬
・ザガーロ

この3つのうち、プロペシアについてはジェネリックが販売されており、クリニックによってはジェネリックを取り扱っているところもあります。

ジェネリックとは、先行品の特許が切れた後に同じ成分を使って作られるもので、同じ効き目で価格が安いのが特徴です。プロペシアのジェネリックを製造しているのは国内の大手メーカーで、製造販売の承認を受けているため安心感があります。治療費を抑えたい場合には、検討してみるのもよいでしょう。
このほかに、オリジナル処方の薬を使って治療を行っているクリニックもあります。

【AGA診療ガイドラインとは】

AGA診療ガイドラインとは、日本皮膚科学会毛髪科学研究所の共同事業として、毛髪疾患に詳しい医師が中心となって策定されたものです。誇大広告の反乱や無謀な治療が行われている現状を背景に、さまざまな治療法を科学的根拠に基づいてランクわけし、効果の有無を具体的に提示しています。
AGA診療ガイドラインは、2010年に初めて発表されて以来、長らく改定されていませんでしたが、2017年には「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン」という名称で新たに女性型を含む脱毛症診療の指針として発表されました。
新ガイドラインでは、推奨度をAの「行うよう強く勧める」からDの「行うべきではない」にわけ、2010年版には記載のなかったデュタステリドが追加されました。ガイドラインでは、公式薬を使った治療法は次のように分類されています。

・プロペシア:男性A 女性D
・ミノキシジル外用:男性・女性ともにA
・ザガーロ:男性A 女性D

ミノキシジル外用については男女ともに推奨されているのに対し、男性で推奨されているプロペシア、ザガーロが女性では「行うべきでない」とされている点には特に注意が必要です。各治療薬の特徴と違いそれぞれの治療薬について、有効成分と特徴、効果、副作用、服用のタイミング、値段などをまとめると、次のようになります。

【プロペシア】

プロペシアはフィナステリドを主成分とする錠剤で「飲む育毛剤」と呼ばれることもあります。フィナステリドはもともと前立腺肥大治療のために開発された成分ですが、抜け毛を防ぐ効果があることがわかり、今ではAGA治療の定番となっています。
フィナステリドにはII型の5αリダクターゼを抑制する作用があり、服用するとAGAの原因物質ジヒドロテストステロンの産生が抑えられるため、成長途中で抜ける髪の毛を減らす効果が期待できます。3年の使用で7割以上の人に改善傾向が見られると言われ、知名度は抜群です。

プロペシアに懸念される副作用としては、性欲の低下やEDと呼ばれる勃起不全、じんましん、倦怠感などがありますが、発生率は全体の2%以下とされています。また、服用中は前立腺検査の値が下がる可能性があるため、健康診断を受ける場合には、事前にプロペシア服用について伝えておく必要があります。
プロペシアは男性ホルモンに影響を与えるため、女性や20歳未満の男性は服用が認められていません。特に女性は、錠剤に触れるだけで副作用のリスクがあるため注意が必要です。
プロペシアは効果が食事に影響されないので、自分の都合のよい時間に服用することができます。プロペシアの費用は月額で約7,000円程度が相場です。

【ミノキシジル】

ミノキシジルは、血管を拡張して血行を促進する効果のある成分です。当初、高血圧の治療に使われていましたが、服用者に髪の毛が増える人が出たことから発毛効果が注目されるようになり、薄毛治療薬として認可されました。現在ではプロペシア内服とミノキシジル外用を併用する方法がAGA治療の主流となっています。

髪の毛が順調に生え変わるためには、毛母細胞と毛母細胞をサポートする毛乳頭細胞の働きを活性化することがポイントです。血流が悪いと毛母細胞・毛乳頭細胞に必要な栄養が届かなくなってしまうため、ミノキシジルを使って血行を促進することは、薄毛改善のために効果があります。
発毛を促す効果が期待できるミノキシジルですが、人によっては頭皮のかゆみやかぶれ、じんましん、脂漏性皮膚炎などの副作用が起こる可能性があります。ただし副作用の発生リスクは高くなく、全体の8%以下だと言われています。血管拡張作用があるため、血圧に問題がある方も注意が必要です。

ミノキシジル外用を用いる場合は、朝晩2回の使用が推奨されています。頭皮を清潔にして乾燥した状態で使用すると効果的です。ミノキシジル外用の費用は、濃度や容量などによって違い、月額で約7,000円から15,000円程度であることが多いようです。

ミノキシジルには内服と外用の2つのタイプがあり、ミノキシジルタブレットと呼ばれる飲むタイプも注目を集めています。ミノキシジルタブレットは国内でAGA治療薬として認可されていませんが、医師の判断で処方することは可能です。専門クリニックなど信頼できる医療機関で診察を受けたうえで、医師の指導のもとに服用するようにしましょう。

【ザガーロ】

ザガーロは、デュタステリドを主成分とするカプセル剤で、2016年に発売された新世代のAGA治療薬です。デュタステリドはII型だけでなくI型の5αリダクターゼに対しても作用するのが特徴で、II型に対する抑制効果はフィナステリドの約3倍、治療効果は約1.6倍と言われています。
ザガーロの副作用はプロペシアとほぼ同じで、人により性欲減退や精液量の減少、勃起不全などが起きる可能性があります。副作用の発生リスクは低いですが、プロペシアに比べるとやや高めだとされています。

服用のタイミングについてもプロペシア同様で、自分の都合のよい時間に飲むことができます。費用の相場は月額8,000円から10,000円程度です。

【クリニックオリジナル処方】

クリニックの中には、フィナステリドやミノキシジルなどAGA治療に必須の成分だけでなく、発毛や育毛に必要なアミノ酸、ビタミン、ミネラルなどの成分をバランスよく配合したオリジナルの治療薬を処方するところもあり、相乗効果で高い効果が期待できるとされています。
特許成分を使用することで有効成分の吸収率を高めたり、患者さんごとに成分配合を調整するオーダーメイド処方などを行っているクリニックもあるようです。

オリジナルのものについてはクリニックごとに費用や用法・用量、服用のタイミングが異なるため、しっかり確認しておくことが大切です。使用上の注意点AGA治療薬は使い始めてすぐ劇的な効果を実感できるような即効性はなく、使い続けるうちに徐々に効果が表れてくるものです。一定期間使うことになるため、使う前に確認しておきたいことや使う際の注意点についても押さえておきましょう。

 

【副作用、飲み合わせの確認】

厚生労働省によって効果効能が認められた医薬品は、たとえ正しく使っていたとしても副作用が起こってしまう可能性を否定できません。AGA治療薬の副作用リスクは極めて低いですが、まったくないわけではない点は理解しておく必要があります。使用していて異常を感じた場合には使用を中止し、医師に相談することが大切です。

また、AGA以外の薬を服用している場合には「飲み合わせ」にも気をつけなければなりません。持病のある方は処方を受ける前に、必ず医師に確認しておきましょう。

【治療費の相場と概算】

AGA治療の効果が表れるまでには、早い人で3ヶ月、平均的には6ヶ月ほどかかると言われています。つまり、最低でも3ヶ月から6ヶ月間の費用は必要になるということです。

AGA治療は現在、保険適用が認められていないため全額自己負担となります。クリニックで薬を出してもらうためには、診察料や検査費用、処方料なども必要です。平均的なAGA治療費は月額1万円から3万円程度だと言われているので、最低でも6万円から18万円くらいは必要になると考えておくのがよいでしょう。

【用法・用量を守る】

AGA治療薬は一度にたくさん飲んだからといって早く効くものではなく、むしろ副作用のリスクが高くなってしまいます。医師の指導のもと、用法・用量を守って使用することが大切です。いつまで?飲み続ける期間プロペシアやミノキシジルを使って効果が出た場合、うれしい反面「やめたら元に戻ってしまうのでは…」と不安に感じる方もいらっしゃるかもしれません。

結論から言えば、髪の毛が増えたのはAGA治療薬の効果ですから、使用をやめれば再び症状が進行する可能性は高いです。髪の毛が生えた状態をキープしたいと思うのなら、やはり治療を続ける必要があります。

ただし、治療の過程で、薬の使用量や種類を変更できる場合もあります。費用負担が重いと感じる場合には、ジェネリックの使用を検討するのもひとつの方法です。通販・個人輸入の問題点AGAは何もしなければ進行してしまうため、早めに対処することが大切です。しかし、毎月の治療費を負担に感じる方も少なくないでしょう。そのため、インターネットの通販サイトなどで購入できる個人輸入品に注目が集まっているようです。

医師の診察や処方が不要な手軽さと低コストが魅力の個人輸入品ですが、医薬品には常に副作用のリスクがあることを考えると、自己判断で使用するのはリスクが大きいと考えられます。特に飲むタイプは男性ホルモンに影響を与えるため、診察・検査を受けたうえで、医師の指導のもとで服用するのが望ましいと言えるでしょう。

プロペシアについては複数のメーカーからジェネリックが販売されているので、効果の確実性と安全性の両面から、個人輸入品ではなくジェネリックを使うのがおすすめです。AGA治療は、効果がでるまで正しい方法で根気強く続けることが大切です。朝と夕方2回のミノキシジル塗布などは、時に面倒に感じられることもあるかもしれませんが、頭皮と髪に表れる変化を楽しみながら続けていきましょう。

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